クラヴマガ・ジャパン 秋季セミナー 2011年11月19日

昨秋、クラヴマガ・ジャパン 秋季セミナーを取材させていただきましたので、そのときの模様をお伝えします。この日は東京地方はひどい悪天候だったのですが、そのような状況下でも多くの人が集まり、身を守ることへの関心の高さが感じられました。

昨今、信じられないような事件のニュースを目にするようになりました。凶悪な事件が増加しているのか、それともネット社会によって情報網が急激に拡大した結果なのか、あるいはその両方の要素があるのかは分かりません。しかし、少なくともそういう事件が起こっているということは間違いありません。今は平和に過ごしているつもりの私たちでも、いつ、暴力的な犯罪に巻き込まれるかはわかりません。

私自身は、高校時代にスポーツとしての空手を、成人してからは自己啓発としての中国武術を勉強していました。後者については、身近で起こりうる犯罪に遭遇した場合のことをはっきり意識していたと思います。しかし、その形にはまるのは容易なことではなく、実用になるまでに相当時間がかかると考えられました。まずは体を作ること、技を作ることが求められるからです。

空手にしても中国武術にしても、長年修行した先生方の実力は確かにすごく、実際に複数の相手に囲まれるような危険な状況においても余裕で制御されていました。ですが、1日の多くをこういう練習に割け、先生方のようなレベルに達する余裕がある人はそうはいないと思います。

クラヴマガ・ジャパン 2011秋季セミナー

クラヴマガ・ジャパン 2011秋季セミナー

さて、以後は第三者的に見た、クラヴマガについて述べてみたいと思います。素人の目で見ての感想ですから、本当のところはぜひ、クラヴマガ・ジャパンさんの公式サイトを参照してくださいね。

今回のセミナーを担当されたのが、布川忠夫さん、西尾健さん、阿部大史さんの3名の熟練したインストラクター。そのほかにも多くのインストラクターさんがアシスタントに付き、多数の参加者のフォローに当たっていました。

今回のセミナーを拝見した限り、クラヴマガは従来の武道、武術とは明らかに異なったものであることを認識させられました。できる限り合理的に習得できるように工夫された護身術といえると思います。あらゆる攻撃から自分の身を守るためのパターンが体系化されており、それを「条件反射化」する練習に特化されているように見えました。ある攻撃に対し、対応する動きを反復練習することで、自然に体が動くように中枢にインプットしていくわけです。これはほかの格闘技でも同様で、ボクシングであれば、敵のストレートパンチやフックに対して体が勝手に反応してカウンターを打つようになります。クラヴマガの場合は、これがあらゆる手段を使った敵の襲撃に対して反応するようになっていくのだと思います。もちろん、これらはレベルに合わせて指導が行われるので、段階的に、より確実な方法、より幅広い対応を習得していけるはずです。

説明は丁寧で、細かいコツまで紹介されていました

説明は丁寧で、細かいコツまで紹介されていました

今回、午前の部では武器に対する護身技術が紹介されていました。武器に対する捌きや反応を見ていて、結構長く武道を続けてきた私も、「あ、こういう動きは私にはできないだろうな。対応できないだろうな」と思うシーンが多々ありました。普段、ナイフを相手に練習する機会は少ないですし、拳銃に至っては皆無です。おそらく、普通のパンチと同じようにからだが反応して捌きにいって、多少切られたり、最悪は撃たれたりするんじゃないかと思います。つまり、普段からナイフを使った攻撃や拳銃を使った脅しを想定した練習をたっぷり行っておかないと反応できないということなのです。

拳銃を使った犯罪ももはや人ごとではありません

拳銃を使った犯罪ももはや人ごとではありません

今回は単発のセミナーの紹介ですが、基本的には普段からクラヴマガを練習されている方の参加が多かったのではないかと思います。まったくわからない人が受講したら多少戸惑うかもしれません。しかし、こういう方法をひとつでも見て、経験しておけば、危急の場で逃れられる確率を高めることができるかもしれません。基本的な動きひとつだけでも覚えてきて、家へ帰ってきて家族を使って反復練習して…ということだけでも多少違うと思います。

しかし、実用的なレベルで条件反射的に護身の動きを実現するためには反復練習が必要であることは否めません。継続的に普段のセミナーを受講して、少しずつレベルを高めていくことが望ましいのです。

クラヴマガは護身に関して、余計なインフォメーションがありません。腹式呼吸を使った鍛錬型があったり、精神統一をして、宇宙と一体になる、というような格式張ったことがないのです。単刀直入に護身をマスターしていくカリキュラムですから、より早く護身の方法を身につけることができるでしょう。

単刀直入に「護身」

単刀直入に「護身」

今回は、午後の部で対複数の襲撃者に対する護身や、第三者を守る方法なども紹介されました。これは私もぜひ習っておきたいと思いました。つい最近、知り合いのご友人が複数の襲撃者に襲われるという事件があったばかり、ということもありますが、この種のニュースは実に多く存在しているからです。

さて、このようにクラヴマガは優れた護身術であるといえるのですが、クラヴマガ・ジャパンさんのカリキュラムはそれでは終わりません。格闘そのものを楽しむ立ち技のクラスや寝技のクラスがあったり、女性の美容にも役立ちそうなクラスがあったりするからです。いつも息を詰めながら護身術ばかりをやるのではなく、別の目的で純粋に体を動かすことを楽しむクラスを利用するのも大いに結構だと思いますね。

純粋に体を動かす目的でもいいと思います

純粋に体を動かす目的でもいいと思います

ぜひあなたも、クラヴマガを体験してみては?

撮影協力:クラヴマガ・ジャパン

Special Thanks  西尾インストラクター

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