双水執流の流祖二神半之助正聴(ふたがみはんのすけまさあき)は、日本最古の柔術と言われる竹内流を学び、その後、諸国を武者修行で廻り、吉野山中に37日間籠もった末、川の流れが岩にあたり二つに分かれる様を見て、その奥義を悟ったと言われています。
今回は腰之廻りをご紹介していますが、双水執流は、本来、柔術(組打)と居合術(腰之廻)の二つの技法体系からなる総合武術です。「居合」と言わず「腰之廻」と呼ぶのは、竹内流では1尺2寸の短刀を用いた組討技法を「腰之廻」と称するからだと思われます。また現代の「居合術」は「刀を抜かずして相手を制す」という意味も含まれているとしたら、かなり実戦を意識している「腰之廻」は「居合」とは似て非なるもののように思えます。